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2007年02月13日(火) 00時00分

愛機 寿命いつまで読売新聞


ハードディスクの貴重なデータを失ったら一大事

 私用のパソコンのハードディスクがある日突然破損し、データを丸ごと失った苦い経験がある。仕事用のパソコンで同様の事故があってはたまらない。ハードディスクの寿命を予測できるソフト「スマートHDDプロ」(インターコム)を使って、愛機の“健康診断”を試みた。(米山粛彦)

STEP1  故障予測日を宣告

 インストールしたソフトを起動させると、まず、ハードディスク内のデータが分析される。数分後に診断結果が表れた。健康状況は「良好」で、健全度は91%。そのまま使い続けて構わないらしい。

 将来の故障については「予測できないほどのわずかな劣化です」だった。このメッセージをクリックすると、故障予測日は2024年6月25日となった。

 故障予測日まで1年を切ると「注意」、さらに数か月前になると「危険」と表示され、ファイルのバックアップやハードディスクの交換を求める警告が表示される。もっとも、パソコンを長く使えば、ディスクの劣化は進むので、定期的な診断は欠かせない。

STEP2  高温になると警告

 ハードディスクの温度が高過ぎると、ディスクの故障につながることがある。

 画面左側にはディスクの現在の温度が表示されている。ツールバーの「設定」で最大許容温度を決めておき、これを超えた時に警告が表れる。初期値は65度だが、ディスクの平均温度が30度前後のパソコンは許容温度を50〜55度に設定しておくといい。温度超過の場合はパソコンの周囲の風通しを良くするなど、冷ますための対処が必要だ。

 画面左上の小窓でC、Dのドライブ名を選び、「故障予測」をクリックすると、今後の劣化の進み具合が線で示される。ソフトは常時監視を続けているので、劣化が進めば、警告が表示される。

STEP3  故障の原因特定にも威力

 画面上の「ドライブのスコア」をクリックすると、通電の合計時間やデータの読み取り失敗率など20〜30項目にわたって、劣化具合が帯グラフで示される。

 劣化が進むとグラフ左端からピンクの領域が増えてくる。1項目でもピンク色が右側の限界値に近づいたらディスク交換の時期。今回の診断では、磁気ヘッドの移動回数に関係する項目で、劣化が12%まで進んでいた。

 左上小窓の「リソース」を選択すれば、ディスクの空き容量や中央演算処理装置(CPU)の性能、インストールされているソフトの一覧を確認できる。現在と過去のデータを比較して、故障時に原因を特定するのに役立つ。

診断はこまめに ハードディスクの劣化は常に進んでいるので、診断はこまめに。 温度管理も忘れずに。過熱の場合は冷却する。 リソースのデータ比較は不具合を調べるのに役立つ。

記者の感想

 これまで面倒だからと後回しにしてきたバックアップも、危険日を教えてもらえれば適切なタイミングでできそうだ。劣化のグラフを見ているだけでも危機感が募り、特に重要なファイルは日ごろからコピーしておこうとも思った。

故障の前兆をお知らせ

SmartHDD Pro ハードディスク診断
 ハードディスクの状態を診断し、寿命を予測してくれる。故障の前兆を知らせてくれるので、データのバックアップやディスクの空き容量を増やすなどの対策をとれる。思い出のデジカメ画像や重要な仕事文書などがいきなり取り出せなくなる事態に備えられる。故障予測日は目安なので、油断は禁物。 インターコム 標準価格4410円。

HDD温度計
 ハードディスクの温度を測る無料ソフト。目安として、温度が5〜60度を大きく上回るか、下回ると、故障する可能性が大きいので注意したい。URLは、http://members.jcom.home.ne.jp/big.bird/

(YOMIURI PC編集部)

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/dennou/20070213nt0b.htm