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2007年02月13日(火) 00時00分

“女尊”が生んだバレンタイン…連続増収増益の秘訣ZAKZAK

7割が女性社員高いコスト意識に着目

 「これからの世の中、女性の能力を活用できない企業は生き残れません」と熱く語るのは社長の原邦生氏。8期連続増収増益と業績が絶好調の同社は、700人弱の従業員のうち7割が女性だ。その理由は、扱う商品が「お菓子だから」というワケでは決してない。

 「女性は朝起きた瞬間からご飯の支度、洗濯、買い物など、ちゃんと計算して生活することができる。同じネギを買うのにも、少し足を伸ばして安いスーパーに買いに行く。男性にはそれができない人が多い。コスト意識ですね。仕事も同じですよ」

 給与明細には月給だけでなく、分給まで記載。会社が時間に対するコスト意識を徹底させれば、社員は、繁忙期を除いて基本的に残業をしない(時間内に仕事を終わらせる)。オフィスの電気は午後7時には消えるという、ホワイトカラーエグゼンプションなど無縁の世界。

 「メリーは自由に発想し、良い意見をどんどん取り入れてくれる。女性が活躍できるチャンスが数多くあります」と語るのは、企画室・デザイン課の島崎きよみさん。そこから、今年で50年目となるバレンタインや、最近では「マイセルフ・バレンタイン」という、自分へのご褒美としてチョコレートを贈るという新しいスタイルを打ち出してきた。

 女性尊重の歴史は先代で創業者、故・原堅太郎氏の時代にさかのぼる。男女雇用機会均等法が成立する、はるか以前から、男女の賃金を平等にするなど女性の能力を高く評価してきた。

 「給与は一般サラリーマンの平均年収の倍くらい。毎年ボーナス時期になると、『(共働きの)夫の機嫌が悪くなる』と言われます」と笑う。シングルマザーの女性社員にも「もしメリーじゃなかったら息子を2人も大学まで進学させてやれなかった」と感謝されたこともあるという。

 もちろん会社が伸びた背景には40年近く前から早くITを取り入れ、当時、資本金と同じ額のコンピューターを導入したという経営者のセンスもある。

 上場の可能性については、キッパリと否定する。「メリーは従業員が第一。機関投資家に配当を出すくらいなら、メリーのために頑張って働いてくれる社員に還元します。30代の管理職で年収1000万円というのが今後の目標ですね」。現在はグループ全体で3人いる女性取締役の割合を今後、50%まで上げるという。男性にとっても十二分に魅力的な会社のようで…。

ZAKZAK 2007/02/13

http://www.zakzak.co.jp/top/2007_02/t2007021324.html