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2007年02月12日(月) 00時00分

女心溶かすチョコは 朝日新聞

  14日はバレンタインデー。本番を前に、百貨店やコンビニエンスストアのチョコレート売り場は大にぎわいだ。どんなチョコでハートを射止めようか女性たちは迷うが、どんなチョコで女性のハートを射止めようか、百貨店やコンビニの販売担当者も頭を悩ます。

  今月2日夜、そごう横浜店であったチョコレート試食会。抽選で選ばれた30人とマスコミ関係者が招かれ、有名パティシエらが作った新作など国内外の約30ブランドが並んだ。売れ筋を見極めるのが狙いだった。

  食べ放題、制限時間は90分。高い物だと一粒525円とあって、品定めする参加者の目はどれも真剣だ。担当者はチョコを口にする参加者の表情をじっくり観察した。

  バレンタインデーに向けた準備は1年以上前から始まる。ミレニアムリテイリンググループ(そごう・西武百貨店)のチョコ買い付け担当の近松慎也さん(47)は05年12月、他社と差別化をはかろうと、米国に目をつけて社内の同意を取り付けた。

  商品探しのために昨春、ニューヨークに飛んで雑誌などで評判の25店を食べ歩いた。出会ったのが米アカデミー賞の授賞式で配られた一品だ。

  「枕詞(まくらことば)は申し分ない。味もいけた」。国内での独占販売が実現した。狙い通り、売り場での評判は上々。完売する商品も出ているという。

  横浜高島屋の8階特設会場には82種類のチョコを写真で紹介した70ページの冊子が山積みになっている。高島屋が独自につくり、無料で配る。菓子職人の顔入りで、成分、味の特徴が詳しく記されている。オールカラーで厚手の上質紙。同店だけで2万8千部を用意した。

  買い付け担当の山下裕司さん(41)は「売れ筋商品を数多くそろえて選ぶ楽しみを提供したい。ブランド数は全国最大級です」と胸を張る。

  セブンイレブンは「世界屈指の高級カカオを使用」「有名ショコラティエ監修」をうたい文句にフェアを開いている。ベルギーから輸入したカカオを使うが、ほとんどの商品は千円以下だ。

  広報担当の伊藤真由美さん(39)は「品質の高い原料を大量輸入することで低価格を実現した」。

  海外チェーン店もこの好機を見過ごさない。横浜市西区のランドマークプラザに店を持つ米アイスクリーム店「コールド ストーン クリーマリー」は日本限定のチョコアイスを販売する。

  同社は「日本の女性は季節ものに敏感。来店のきっかけになってほしい」としている。

(入尾野篤彦)

http://mytown.asahi.com/kanagawa/news.php?k_id=15000000702130004