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2007年02月12日(月) 00時00分

闘いは続く 支援を/中国残留孤児考える朝日新聞

 中国残留孤児の問題について理解と支援を求める集い「中国『残留孤児』問題を考える」が11日、岡山市の岡山大津島キャンパスであった。県高校教職員組合や岡山大学職員組合など9団体でつくる「建国記念の日問題連絡協議会」が催した。残留孤児の現状のほか、神戸、東京両地裁判決の相違点を伝える弁護士らの話に、参加者ら約120人が耳を傾けた。

 兵庫県で1月に発足を決めた「中国『残留日本人孤児』を支援する兵庫の会」事務局の上田雅美さん(64)が講演。中国残留孤児が国を相手に帰国や自立を支援する策を怠ったなどとして、全国各地で起きている訴訟で、国の責任を認めた昨年12月の神戸地裁判決後の孤児らの変化を紹介した。「判決時、マスコミや市民が裁判所に大勢駆けつけ、孤立した生活を送ってきた孤児は、日本人と認められて喜びを感じた。判決は孤児に勇気を与えた」と話した。

 岡山の弁護団事務局長の則武透弁護士(45)は、岡山の原告27人の終戦時の平均年齢が6歳、帰国時は50歳だったと紹介。「国は孤児らが日本に帰る権利を侵害した」などと主張した。40〜50代で帰国した孤児らが年金でも不合理な扱いを受けていることも指摘。「日本で働いた期間が短いのは政府のせいだ。日本で人間らしく生きる権利を損害されている」と訴えた。原告の請求を棄却した1月の東京地裁判決については「特異な歴史認識に立っており、他の裁判所に共有されるとは思えず、乗り越えられる」と話した。

 原告団長の高杉久治さん(65)は「原告の平均年齢は65歳以上だが、闘いは続く。支援と協力をお願いしたい」と訴えた。

http://mytown.asahi.com/okayama/news.php?k_id=34000000702130007