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2007年02月12日(月) 00時00分

【関連】『事故前に対応を』 リンナイCO中毒死 点検作業始まる 東京新聞

 ガス器具最大手リンナイ(名古屋市)のガス湯沸かし器による一酸化炭素(CO)事故を受けて、ガス器具、ガス事業者業界を挙げた無償点検や注意喚起などの対策が始まった。パロマ工業(同)に続く今回の問題をきっかけに、過去の給湯、暖房器具の痛ましい事故の事例も続々と判明したことが業界を動かしたといえるが、ユーザー側には「事故の前にきちんと対応を」という声が広がった。 

 リンナイは十一日、事故機種を設置している一般家庭などへの無料点検を本格的に始めた。問題となっている不完全燃焼防止装置のセンサー周辺に、すすが付着していないか念入りにチェックした。

 この日午後、事故が起きた二機種の一つ「RUS−5RX」を使っていた名古屋市東区の女性(74)宅に担当者二人が訪問。湯沸かし器のカバーを取り外し、センサーや点火スイッチの状況を確認した。検知器を使ってCO濃度も測定した。

 作業は約三十分で終了し、女性は「パロマ事故の時、うちはリンナイだから大丈夫、と思っていた。正常と聞いて安心したが、もっと早く消費者に知らせてほしかった」と不満そうだった。

 リンナイは、点検で異常が見つかった場合、有償での部品交換や買い替えを勧めるとしている。

 同社によると、点検作業は全国に二百店ある修理代行業者を中心に担当。愛知(名古屋市中川区)や旭(愛知県尾張旭市)など各工場からも百人程度を動員して、八百五十人態勢とする方針という。

■所有者に書面で注意呼び掛けへ 東京ガス

 首都圏を中心に一都七県約九百八十万世帯にガスを供給する東京ガスは、事故があったリンナイ製の小型湯沸かし器の設置が確認できた五万八千二百九十七台の所有者にあてて、ダイレクトメールを発送する準備を始めた。希望者には無料点検を行うことや、十分な換気を呼び掛ける内容。問題の機種は一九九一年から九六年までに約十三万台販売されている。

 東京ガスには、十一日夜までに安全性や該当製品かどうかの確認などユーザーからの問い合わせが、計四百二十二件あったという。

 東京ガスによると、過去十年間に同種の小型湯沸かし器による死亡事故は、既に明らかになっている二〇〇三年十月の東京都豊島区池袋本町の女性=当時(70)=を含めて三件あり、三人が死亡している。いずれの事故も、換気扇を使用していなかったという。

■問い合わせ6100件超える

 リンナイは十一日、同社製のガス湯沸かし器に関する全国からの問い合わせが十日から十一日午後六時までの二日間で、六千百四件に達したと発表した。

 このうちCO中毒事故を起こし、無料点検の対象としている二機種の利用客からは約半数の三千四十二件だった。

 同社の窓口「お客様センター」はフリーダイヤル=(0120)054321。二十四時間態勢で受け付ける。東京ガスの無料点検の問い合わせはフリーダイヤル=(0120)796701。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070212/mng_____sya_____011.shtml