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2007年02月12日(月) 19時19分

放鳥コウノトリ死ぬ 産卵成功ペアの雄 兵庫・豊岡朝日新聞

 兵庫県豊岡市で05年に自然に放された国の特別天然記念物コウノトリ5羽のうち8歳の雄が12日、同市内の高圧電線の鉄塔の下で死んでいるのが見つかった。県立コウノトリの郷公園(同市)によると、右足のつけねにやけどの跡があることから、落雷か電線にぶつかった可能性があるという。放鳥されたコウノトリが死ぬのは、これが初めて。

死亡したコウノトリ(上)。昨年4月にペアで産卵に成功し、今年も繁殖が期待されていた=06年4月7日、兵庫県豊岡市で

 この雄は野生復帰事業の第1弾として05年9月に放鳥されたうちの1羽で、放鳥式典に参加した秋篠宮夫妻が空に放った。06年4月には市内の人工巣塔で5歳の雌と産卵に成功。自然界では38年ぶりの快挙で、この卵は孵化(ふか)しなかったものの、今年も繁殖が期待されていた。

 郷公園によると、11日午前10時10分ごろには、鉄塔の頂上にペアの5歳の雌ととまっていた。その後、付近で激しい落雷があって姿が見えなくなり、12日朝から職員らが捜していた。

 郷公園の大迫義人主任研究員は「残念だが、何らかの事故は野生では起こりうる。放鳥前に想定したよりは事故件数は少ない」と話している。

http://www.asahi.com/national/update/0212/TKY200702120169.html