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2007年02月12日(月) 09時13分

湯沸かし器説明書、CO中毒の危険記載せず…東京ガス読売新聞

 リンナイ製の小型湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故で、同社製品に自社ブランドを付けて販売していた東京ガスが、換気が不十分な場合の危険性を説明書に記載していなかったことが分かった。

 事故のあったリンナイ製小型湯沸かし器2機種のうち「RUS—5RX」は1991〜95年に約87万台が生産されたが、この一部約13万台については、東京ガスが「RN—405SD」の品番で販売した。事故は2000年1月から今年2月にかけて5件発生。そのうち東京と横浜で起きた死亡事故2件を含む3件は、東京ガスが販売した製品での事故だった。

 この製品に関する東京ガスの説明書では、「使用上のご注意」のページに、「ご使用と同時に換気扇を回す等、換気にご注意ください」「しめきった部屋で長時間使用すると空気中の酸素が減少し、不完全燃焼防止装置が働いて消火することがあります」などと記され、換気の必要性が強調されている。

 しかし、換気が不十分だとCO中毒になる可能性があることなど、人体に悪影響を与える恐れについては言及していない。

 東京ガス広報部は、人体への危険を明示しなかった理由について、「利用者の不安をあおるのを避けたかった。自殺などに使われることも防ぎたかった」と説明している。同社はその後、湯沸かし器の説明書に、CO中毒への注意を呼びかける一文を入れているという。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070212i301.htm