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2007年02月11日(日) 00時00分

リンナイ事故 99年に構造欠点把握 東京新聞

 ガス機器メーカー最大手「リンナイ」(名古屋市)の湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故で、同社が一九九九年、事故機種と同型器で実験を行い、不完全燃焼後に再点火を繰り返すと不完全燃焼の防止装置が機能しなくなる構造上の欠点を確認していたことが十日、分かった。リンナイによると、その後の新製品には再点火を防止する仕組みを取り入れたものの、改良前の機種の回収は事故発生後も行っていなかった。 

 リンナイは七年間に計三人が死亡した五件の事故では、うち四件で換気が不十分だったと主張した上で「非常にまれな使用状態で起きた事故で、当時は製品の欠陥はないと考えた」としている。

 リンナイによると、事故を起こした二機種「RUS−5RX」(東京ガスが販売の場合RN−405SD)と「RUS−51BT」は九一−九七年に製造され、室内の空気を取り込んで室内に排気するタイプ。排気口にほこりがたまるなどして器具内に排気が逆流すると、その温度をセンサーが感知、防止装置が働く構造となっている。

 いったん火が消えて器具が停止しても、再び点火ボタンを押すと燃焼が再開。センサーが不完全燃焼を再び感知するまでの約二十秒間、燃焼が続いた後、停止。点火ボタンを押すたびに、この状態を繰り返す。

 九九年の実験では、この再点火を数百回繰り返すと排気と一緒に器具内に逆流したすすがセンサーに付着し、最終的に防止装置が働かなくなることが確認できたという。

 リンナイは、再点火による不完全燃焼の発生を確認した東京ガスなどの依頼を受けて実験を実施。実証されたため、その後の新製品では、再点火ができないような構造に変えたという。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070211/mng_____sya_____007.shtml