記事登録
2007年02月11日(日) 03時46分

湯沸かし器死亡、24年で130人…大半はCO中毒読売新聞

 3人が死亡するなど一酸化炭素(CO)中毒事故が起きた「リンナイ」(名古屋市中川区)製湯沸かし器と同じ開放式小型湯沸かし器で、1981〜2004年の24年間に、都市ガス地域だけで130人以上が事故死していたことがわかった。

 ガス事業法に基づき都市ガス事業者が経済産業省に提出した事故報告書から集計したもので、大半がCO中毒死とみられる。

 事故データの蓄積が始まった81年から登録済みの04年までに、小型湯沸かし器での死亡事故は22都道府県で計74件発生。死因がはっきりしない事故や酸欠が原因とみられる事故もあったが、死者133人の大半はCO中毒死とみられる。湯沸かし器のメーカー名は明らかにされていない。データベース化されていないLPガス事業者のエリアを加えると、死者数はさらに増えるとみられる。

 小型湯沸かし器は主に一戸建て住宅の台所に設置されることが多いが、十分な換気が必要で、短時間の利用が想定されている。

 だがデータベースに掲載された死亡事故は、換気をしなかったり、長時間利用する浴室に設置したりしていたケースが多く、大半について都市ガス事業者は、使用上の問題が事故の原因と報告している。

 死亡事故のおよそ3分の2にあたる52件は80年代に起きていた。今回5件の事故が判明したリンナイ製の機器と異なり、不完全燃焼でCOが排出された場合に機器を停止する装置がついていない機器で事故が起きたケースもあった。

 80年代に小型湯沸かし器に不完全燃焼防止装置の装着が段階的に義務づけられた。マンションでは屋外設置型のガス機器が増えたことで、小型湯沸かし器の需要自体も減り、90年代以降は事故が減少傾向にはある。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070211i501.htm