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2007年02月11日(日) 10時01分

不二家だけじゃない 食品「負の連鎖」が止まらない日刊ゲンダイ

 あきれるばかりだ。こうも次々と食品の自主回収が続くとは……。
 不二家の消費期限切れ原料の使用問題が深刻になっていく中、食品メーカーや販売会社の情けなさが浮き彫りだ。
 7日も、持ち帰り弁当「ほっかほっか亭」で知られるプレナスが、全店舗の約1割にあたる291店で消費期限を超過した商品を販売していたことが判明。サラダやミニうどんなど社内基準で決められた製造後8時間での廃棄が守られていなかった。
 それにしても食の「負の連鎖」は恐ろしい。不二家問題が発覚したのは1月11日。それ以降、一般紙で「回収のお知らせ」が連日のように告知される。ざっと拾っただけでかなりの数に達する。驚くべき回収具合だ。
「不二家騒動がなかったら、自主回収どころか消費者へ知らせることすらしなかったんじゃないかと思える氾濫ぶりです。雪印のときも同じような現象が起きましたが、いつの間にか沈静化した。でも、今回の自主回収の多さを見ると、ズサンな衛生管理や消費期限切れ食材の使用、異物混入などに対する認識など、メーカーの甘さが透けて見える」(経済ジャーナリスト)
 よくよく新聞を眺めると面白いことに気付く。不二家問題は1月11日に表面化、その後約10日間は自主回収の告知広告はほとんど見当たらない。
 ところが不二家問題が連日マスコミをにぎわし、経営危機説まで流れ始めたころから突如、自主回収告知が増え始めた。その他メーカーも1月21日以降のものばかり。
 販売日を指定したまんじゅうや、賞味期限切れケーキを「2個売ってしまった」など、念には念を入れた回収だ。
「売る側の気持ちの緩み、真剣さの欠如などは驚くばかりです。消費者の不信感は高まるばかりでしょう」(前出のジャーナリスト)
 負の連鎖はとどまるどころか、拡大の一途。不二家が落ち着くまでの辛抱などと甘い考えでいたら、消費者から痛いしっぺ返しを食らうことになる。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070211-00000015-gen-ent