記事登録
2007年02月11日(日) 08時01分

リンナイ池袋の事故、「不完全燃焼」直前に確認 点検で朝日新聞

 リンナイ製ガス湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒事故が5件相次ぎ3人が死亡した問題で、東京都豊島区で03年10月に無職の浅村レイ子さん(当時70)が死亡した事故では、事故の約1週間前に東京ガスの代理店が点検で不完全燃焼を確認し、湯沸かし器の交換を勧めていたことが分かった。使用は続けられ、浅村さんは不完全燃焼によるCO中毒で死亡した。

 警視庁池袋署や東京消防庁によると、ヘルパーが同区池袋本町4丁目のアパートを訪れ、2階自室で死亡している浅村さんを発見したのは、同年10月26日午前8時半ごろ。給湯器から水が出ている状態で、換気扇は回っておらず、ガスのにおいが充満していたという。

 事故後に湯沸かし器を調べたところ、空気の供給口にほこりがたまり、不完全燃焼の原因になった可能性が高いことがわかった。不完全燃焼防止装置の周辺にはすすが大量に付着しており、機能しなくなっていたとみられる。

 湯沸かし器は92年11月に東京ガスが設置。同社の記録などによると、事故の1週間前に地域の代理店の店員が訪れ、ガス栓を修理していた。その際に湯沸かし器の燃焼を試し、正常なら青いはずの炎が黄色がかっていたため、不完全燃焼が起きていることを確認。機器が古いことが原因だとして交換を勧めていた。

 同社は事故1カ月半前の03年9月8日にはガス管などの定期点検を実施し、換気への注意を促すステッカーを本体にはり付けていた。湯沸かし器そのものの点検は法で義務づけられていなかったため、内部のほこりの有無などは調べなかったという。

http://www.asahi.com/national/update/0210/TKY200702100342.html