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2007年02月10日(土) 00時00分

かつて滝乃川学園所在の巣鴨 福祉先駆の情熱 今に 東京新聞

 明治期から大正期にかけ豊島区巣鴨地区には、障害児施設「滝乃川学園」をはじめ、社会福祉施設が多かった。大正大学(同区西巣鴨)は、このことにちなんだ地域セミナー「巣鴨地域と近代社会事業の展開」を十一日、同大で開く。巣鴨の歴史を知るとともに、福祉の先駆者の情熱を今に生かそうという地元のまちづくり団体の提案を実現した。 (松村裕子)

 滝乃川学園は一九〇六(明治三十九)年に、現在の北区から移転。二八年に現在の国立市に移るまで、巣鴨にあった。ほかにも巣鴨には明治、大正期、東京市養育院巣鴨分院(児童福祉施設)や巣鴨家庭学校(児童自立支援施設)、マハヤナ学園(総合的福祉施設)などもあった。こうした歴史は、今では地元住民でもあまり知られていない。

 地元の歴史を勉強している「庚申塚エリアまちづくりを考える会」は昨年、映画「筆子・その愛−天使のピアノ」が制作されることを知り、映画の舞台である滝乃川学園について学ぼうとした。ところが分からないことが多いため、近くにあり、社会福祉研究が盛んな大正大にセミナー開催を提案した。

 セミナーでは、この映画の山田火砂子監督や、近代福祉事業や知的障害者施設に詳しい元同大教授によるシンポジウムを開く。考える会は「セミナーのテーマになりうれしい。これからの時代に参考になることを見つけたい」という。

 午後三時半から。無料。問い合わせは同大企画広報室=(電)(5394)3025=へ。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/tko/20070210/lcl_____tko_____000.shtml