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2007年02月10日(土) 00時00分

浅草観光 熱烈歓迎朝日新聞

 中国人観光客 熱烈歓迎!——。台東区浅草の仲見世商店街振興組合は、中国で広く普及している「銀聯(ぎん・れん)カード」で決済のできる端末を、9日までに30を超える店舗に設置した。浅草は中国人観光客に人気があり客数も増えており、「買い物を思う存分楽しんでもらいたい」と同組合は期待を寄せている。
(抦崎太郎)

 銀聯カードは中国の銀行が発行するキャッシュカード。約180行が加盟する銀行間決済ネットワークの運営会社「中国銀聯」(上海)の決済システムを利用し、デビットカードとして使える。預金残高の範囲内で買い物の支払いもできる。

 05年に中国銀聯と提携した三井住友カード(港区)によると、銀聯カードは推定10億枚流通している。中国は外貨の持ち出しが5千ドルに制限されているうえ、国際的に通用しているクレジットカードの利用者が少ないこともあって、韓国、米国やフランスなどで導入が進んでいるという。

 日本国内では中国人観光客が多い空港免税店やホテル、デパートなどで取り扱いを広げてきた。現在、秋葉原や京都市上京区にある北野商店街など全国7千店で使えるが、都内の商店街が導入するのは初めてという。

 独立行政法人「国際観光振興機構」によると、04年に観光で来日した中国人は62万人、05年には65万人と伸びている。中でも国際的な観光地・浅草は人気スポット。同機構が04年度に国内主要7空港から帰国する中国人旅行者884人に調査したところ、11%が浅草を訪問したと回答。新宿(23%)、銀座(14%)についで3位だった。

 同組合は、昨年7月にシステム導入を持ちかけられたとき、「新しい機械への手間」を考えて一度は断ったという。しかし、中国人観光客の増加を見込み採用を決定。35店舗が端末の導入を決め、9日までに33店舗で設置し終えた。「中国人観光客に浅草が温かい街だと感じてもらえれば」と同組合の高島新一理事長代行(71)。

 6日に端末を設置したせんべい店「壱番屋」の飯田隆夫さん(30)は「中国からの観光客は詰め合わせを10〜20個まとめ買いする。カード導入で一人でも多くのお客さんに買ってもらえるとうれしい」と期待している。

http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000702130002