記事登録
2007年02月10日(土) 00時00分

「指名競争」を廃止/柏崎市朝日新聞

 柏崎市は4月から、公共工事の発注で指名競争入札を廃止し、制限付き一般競争入札に切り替えることを決めた。原則として入札が義務付けられている130万円以上のすべての工事が対象。市によれば、県内市町村では三条市に続く取り組み。全国的に談合事件が相次ぐ中、透明性を確保し、競争原理を促す必要があると判断した。これにより落札率の低下が見込め、財政的な効果にも期待している。

               ◇◆  

■参加業者増やし「節約効果」期待

 指名競争入札では、市が指名した市内の業者で落札価格を競い、この中で最も安かった業者が落札していた。

 入札参加業者が事前に分かっているため、業者間で落札業者や価格を調整する「談合」の温床となりやすいと指摘されてきた。その結果として、落札価格が高止まりする傾向がみられた。

 新しい制度では、県内に本店があり、市内に営業所などがある業者ならば入札に参加できる。ただ、全国のどこの業者でも参加できる一般競争入札よりは、対象業者は狭められている。災害時などの工事では、例外的に対象の枠を外す。

 土木と建築では、難度の高いAランクの工事でも、6千万円未満の工事なら、Bクラスの業者も入札に参加できる。

 具体的に土木工事で見ると、Aランクは市内13業者、Bランクは25業者。これに県内に本店がある業者を加えると、参加業者数は2、3倍に増えると予測される。

 さらに、市の予定価格もすべて事前公表され、きちんと業者が積算しているかどうかをみるために、工事内訳書の提出も義務付けている。

 談合防止策として市は06年4月から、5千万円以上の土木のAランク工事を対象に、制限付き一般競争入札制度を試験的に導入してきた。

 05年度、市の予定価格に対する落札価格の率を示す落札率の平均は96%だったが、試行された制限付き一般競争入札では92%に下がったことから、新しい入札制度の効果は大きいと判断。今年4月から全面的に導入することにした。

 市の発注工事は年間80億円前後ある。落札率が5ポイント下がっただけで4億円が浮くことになる。市財務部は「歳出が減る分は、ほかの事業展開に回せる」と話す。

 県内では三条市が02年度にいち早く導入し、それまでの平均落札率97・7%が84・3%にまで大きく下がった。

 同市財務課は「(指名競争入札で)市が保護することで、企業努力も怠りがちだ。制度導入で企業の体力がつき、市外の業者に打ち勝てる業者を育成することも狙いだ」と話す。

http://mytown.asahi.com/niigata/news.php?k_id=16000000702100005