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2007年02月10日(土) 00時00分

ヨーカ堂 パートにも業務別処遇 東京新聞

 大手スーパー、イトーヨーカ堂は九日、パート従業員を対象に新たな仕事区分に応じ賃金など待遇が決まる人事制度を、三月から導入することを明らかにした。契約社員への登用も初めて制度化、働く環境を整える。景気拡大で人手不足感が強まる中、流通業界にとって従業員の大半を占めるパートの確保は大きな課題。他のスーパーも知恵を絞っており、人材獲得競争は激しくなりそうだ。

 ヨーカ堂の新制度は、全従業員の七割以上を占める約三万六千人のパートを、まず仕事や責任の内容に応じて区分する。基本的な業務を行う「レギュラーパートナー」や接客技能や生鮮加工に優れた「キャリアパートナー」、認定試験に合格し現場での指示や教育をする「リーダーパートナー」の三グループとなる。

 三月の導入時でリーダーが九百五十人、キャリアは千五百人の見通しで、グループごとに時給改定率や賞与に差がつく仕組み。リーダーは売り場責任者など役職に就けるほか、フルタイム勤務などの条件をクリアし、本人が希望すれば契約社員に登用され、正社員への登用も検討する方針だ。

 同社は中途採用に合わせパートを正社員へ登用してきた。しかし、バブル崩壊以降、中途採用を中止し登用制度も約十年間凍結。団塊世代の大量退職も控えており、処遇改善と合わせ登用制度も充実させたい考えだ。

 ヨーカ堂は、子育てとのバランスを取りたい主婦などもいるとして「すべてのパートが必ずしも正社員を目指すわけではない」と指摘。働き方を選択できる制度を導入することで、優秀な人材を集めたいとしている。

 パートのやる気を引き出し戦力化を目指す人事制度は、複数のスーパーが導入。しかし、役職者への登用などはなかなか進んでいないとされ、今後は、各社が人事戦略をどこまで具体化できるかが問われることになる。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/kei/20070210/mng_____kei_____002.shtml