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2007年02月10日(土) 00時00分

無資格漢方 診療報酬詐取と供述 東京新聞

 薬剤師を置かずに漢方薬を処方したとして、警視庁生活環境課と池袋署などに薬事法違反容疑で逮捕された漢方薬局「健命堂」経営森田喜代重容疑者(56)=東京都豊島区巣鴨=が、同庁の調べに、診療報酬などを詐取したことを認める供述を始めたことが十日、分かった。

 同課は、詐取には東洋大の男性教授や都内の三診療所もかかわったとみており、森田容疑者については、薬剤師の資格がないにもかかわらず、昨年一−五月に漢方薬を調剤、患者に販売したとして、薬剤師法違反(無資格調剤)の疑いで十三日に再逮捕し、さらに追及する。

 これまでの調べに対し、森田容疑者は「漢方薬を勉強していて、薬剤師よりもよく知っている」と供述。さらに「不正な報酬請求をしていた」などとも供述し、処方せんを自分で書いたことも認めているという。

 関係者などによると、同薬局には常駐の薬剤師や医師がいないため、二〇〇五年六月ごろ、顧客の一人だった男性教授が、自ら経営に関与していた渋谷区のクリニックの非常勤の医師を紹介。医師は同薬局に月一回勤める約束だったが、医師の不在時もクリニックの処方せんが使われた。

 男性教授の代理人の弁護士は「渋谷のクリニックで診療報酬の過誤申請があったのは事実だが、あくまで事務員のミスで返還手続きも進めている。処方せんも薬局に勝手に使われた」と話している。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070210/eve_____sya_____002.shtml