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2007年02月10日(土) 15時42分

リンナイ事故の機器、再点火防止装置なし読売新聞

 ガス機器最大手「リンナイ」(名古屋市中川区)製の開放式小型湯沸かし器の一酸化炭素(CO)中毒事故で、3人が死亡、12人がCO中毒になった計5件の機器には再点火防止装置がいずれも装着されていなかったことがわかった。

 この装置がついていれば、不完全燃焼の状態で無理に湯沸かし器を使用し続けようとしても、再点火できなくなるため、CO中毒事故を防ぐことができる。同社では1999年末から発売した製品にはこの装置を装着していたが、事故のあった機種について、無理に再点火を繰り返さないよう利用者に呼びかけてはこなかったという。

 リンナイによると、2000年から今年2月にかけて起きた5件の機器は1991年〜97年にかけて生産されたもの。換気が不十分なため、不完全燃焼でCOが排出された場合に機器を停止させる装置はついていたものの、湯沸かし器内部に大量のススが付着し、不完全燃焼を感知するセンサーが作動しなかったと見られる。このススは、不完全燃焼が起きた後、何度も再点火を試みるうちについたとされる。再点火防止装置がついていれば、こうした状況を防ぐことができた可能性が高い。

 日本ガス協会によると、再点火防止装置は2000年ごろから、各メーカーが自主的に取り付けるようになった。リンナイは再点火防止装置付きの機種については、取り扱い説明書などに再点火の危険性を記載していた。東京ガスでは99年12月以降は、リンナイ製品も含め、再点火防止装置のない小型湯沸かし器の取り扱いをやめたという。

 広島市南区のアパートで2004年12月25日、高校1年の女子生徒(当時15歳)がCO中毒で死亡した事故では、事故から4日後の29日、広島ガス本社内で、広島県警広島南署、広島ガス、リンナイの3者が立ち会い、湯沸かし器内部を点検し、事故の状況を再現する燃焼実験を実施した。

 実験では、不完全燃焼が起きた場合に機器を停止する装置の付近などにススが付着していたことが判明。点火したところ、不完全燃焼を起こし、一酸化炭素が発生したが、装置は作動しなかった。

 リンナイでは10日、対策会議を開き、24時間体制で電話の問い合わせに応対するほか、無償点検の実施や、11日以降のテレビコマーシャル自粛を決めた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070210it05.htm