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2007年02月10日(土) 14時35分

G7開幕、ヘッジファンド監視強化を共同声明に明記へ読売新聞

 【エッセン(ドイツ西部)=小野田徹史】先進7か国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が9日夜(日本時間10日未明)、ドイツ・エッセンで開幕した。

 焦点となっている外国為替相場の円安・ユーロ高問題は、円安懸念を強める欧州諸国と日本などが一致点を探る。共同声明では、「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済成長に望ましくない」とした前回会合(2006年9月)の表現を基本的に踏襲し、円安には直接言及しない方向だ。ただ、欧州勢の懸念にどう応えるかなどを巡って表現を最終調整している。

 共同声明には、巨額の資金を運用して投機性の高い取引を行うヘッジファンドについて、国際金融システム安定のため、事業活動の監視強化を明記する。

 G7メンバーは一段の投資家保護を講じる必要性で一致しており、今後、各国の通貨当局で構成する金融安定化フォーラム(事務局=スイス・バーゼル)に対しヘッジファンドの監視手法を検討するよう求める。

 このほか、声明では、世界経済は好調を維持しているとの認識を示す一方、世界的な不均衡の是正には、各国の結束が引き続き重要だとの見方を指摘する。

 また、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金対策に引き続き取り組むことや、世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の協議再開を支持する。

 G7は9日、中国、ロシア、インドなど新興市場6か国との特別会合で新興国の債券市場育成策などを討議。10日午後(日本時間10日深夜)に共同声明を採択し閉幕する。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20070210i105.htm