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2007年02月09日(金) 00時00分

イラク米軍空爆で子供死亡? 45人の報道朝日新聞

 内戦状態が続くイラクで駐留米軍は8日朝、西部アンバル州で外国人武装勢力の拠点となっていた建物2軒に精密誘導爆弾による空爆を加え、「テロリスト」13人を殺害したと発表した。しかし、AP通信は現地の警官や病院関係者の話として、空爆で民家4軒が破壊され、女性や子供、老人を含む45人が死亡したと伝えた。

 米軍はバグダッドとその周辺で、兵力2万人超を追加投入する大規模掃討作戦の準備を本格化させている。米軍発表によると、アンバル州での7日の戦闘で米兵4人が死亡。8日の空爆では「テロリスト」殺害のほか5人を拘束し、多数の武器を押収したという。

 しかし、AP通信は、米軍の空爆で犠牲になったとされる死傷した子どもの映像を配信した。

 各地でテロも相次いでおり、内戦状態の治安が落ち着く兆しは全くない。バグダッドのシーア派地区では8日、市場で車が爆発し20人が死亡したほか、別の場所でも車爆弾がミニバスを吹き飛ばし7人が死亡した。中部バラド近郊の村ではスンニ派一家が襲撃され、大人の男ばかり10人が銃殺された。AP通信は、テロで計104人が死亡したと伝えた。

 一方、8日に米軍とイラク治安部隊によって拘束されたイラク保健省副大臣について、米軍は「シーア派民兵組織マフディ軍とつながりのある汚職高官を、イラク軍特殊部隊が拘束した」と発表した。副大臣は昨年6月、ディヤラ州から会議のため本省にあがってきたまま、行方不明になったスンニ派の保健省幹部の事件への関与や、保健省の予算をマフディ軍に横流ししていた疑いがあるという。

 副大臣の拘束について、シェマリ保健相は「イラクの主権の侵害だ。家宅捜索をするなら、裁判所の令状を取ってくるべきだ」と非難した。

http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000000702100005