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2007年02月09日(金) 11時22分

姫路のカラオケ店 消防法・条例違反8割朝日新聞

 宝塚市内のカラオケ店で客の高校生ら3人が死亡した火災を受け、姫路市消防局が市内のカラオケ店27店を特別査察した結果、約8割が消防法や市火災予防条例に違反していたことが8日わかった。うち3店はカラオケ店としての使用開始届を出さず、火災報知機も設置していなかった。市側は改修計画書の提出を求めるなど指導した。

 査察は1月22日から今月6日まで、市内4消防署の職員延べ約50人があたった。電話帳やインターネットなどでカラオケ店を確認し、消防法で設置が義務づけられている消防設備の確認や避難訓練の実施の有無などを調べた。
 その結果、違反があったのは約8割の21店。内容は「防火管理者の未選任」(17店)、「消火・避難訓練の未実施」(12店)、「避難設備の設置・維持管理違反」(18店)など計99件にのぼった。消火器がない店も5店あるなど、ほとんどの店が複数の違反をしていた。
 また、3店は市火災予防条例で定められたカラオケ店として営業する際の届け出をしておらず、いずれも火災報知機がなかった。市によると、3店とも10年以上前から営業していたが、届けがなかったため、各消防署が毎年実施している定期査察の対象になっておらず、「結果的にこれまで見逃していた」という。
 市消防局は、消防職員が非番の時や担当外の場合でも危険な建物の把握に努めるよう各署に通知を出した。
 同局予防課は「店にもよるが、小規模で郊外にあるカラオケ店は、街中で大きな建物に入っている店より防火意識が低かった。アルバイトの店員も多く、もしもの時に従業員が動けるよう、しっかりした体制づくりをしてほしい」と呼びかけている。

http://mytown.asahi.com/hyogo/news.php?k_id=29000000702090003