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2007年02月09日(金) 00時00分

耐震化遅れ 15年度までに改修へ読売新聞

 個別診断結果リストは、災害時の安全・安心の確保と情報共有を目的に初めて公表された。対象は、災害時に重要な役割を果たす県庁などの「防災上重要建築物」と、学校など公共性の高い「特定建築物」の計1426棟の県有施設。このうち、改正建築基準法が1981年に施行される前の旧耐震基準が適用された922棟をA〜Dの4ランクで判定している。

 診断によると、「大地震で倒壊・崩壊の恐れが低い」Aランクは313棟にとどまり、「倒壊・崩壊の恐れは低いが施設機能を確保できない恐れがある」Bランクは46棟だった。未診断も327棟残っている(今年度中に98棟完了予定)。耐震化率は、対象建築物のうち、新耐震基準適用の建物(504棟)とA、Bランクの合計の占める割合。

 「危険性が高い」Dランクの施設別の内訳は庁舎7、学校60、病院2、その他6。学校施設では体育館など関連施設が目立った。県では計画を1期(06年度〜11年度)・2期(12年度〜15年度)に分け、Dランクはおおむね1期中に終えたいとしている。また、未診断の建物は08年度までに診断完了を目標とする。施設によっては応急の補強措置なども検討する。

 県によると、国の地震予知連絡会の観測強化地域になっている地区などでは90%を超す耐震化率を達成している自治体も多いというが、大地震の経験の少ない本県などとは「温度差がある」(土木部営繕グループ)のが現状という。耐震化を進めるには財政的な制約もあるが、同グループでは「大地震はいつ、どこで起きてもおかしくはない。庁内の連絡会議などで各施設の優先順位を調整し順次対応したい」とし、災害対策グループも「計画を着実に進めてもらいたい」と話している。

 各施設ごとの耐震診断結果は県ホームページで公表している。

 耐震化を巡っては、学校施設について県立高校教職員組合が1月に県教委に早期の対策を申し入れたほか、本庁舎の危険性について県議会でも問題視されるなどしていた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukushima/news001.htm