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2007年02月09日(金) 00時00分

自賠責保険の調査拡充 高次脳機能障害 中日新聞

 国土交通省は8日、自動車損害賠償責任(自賠責)保険の補償対象で、交通事故による高次脳機能障害を認定する際の調査項目を4月から増やし、症状を詳細に調べることを決めた。同障害は外見からは分かりにくく、「見過ごされやすい障害」とされ、調査を充実させることで認定の拡大につながることが期待される。

 高次脳機能障害は、脳に損傷を受けたことが原因で記憶や行動に障害が出る。性格が変化することもあり、日常生活や仕事に支障をきたす。

 保険金の請求を受けて、金融庁の外郭団体である損害保険料率算出機構が、医師や家族が提出する調査票を基に認定する。現行では、家族用の調査票の場合「家族の顔と名前が分かりますか」など日常生活に関連した53の質問項目に「分かる」「分かるときがある」など3段階で答える。

 今回、質問項目や選択肢を増やす予定で、詳細は今後詰める。成長過程にある子どもの場合、障害の影響を見極めるのがより難しいため、専用の調査票を作成、通学する学校にも記入を求める。

 同省によると、2005年度の認定実績は2754人。機能障害は程度により1−9級に認定され、支払われる保険金の上限が異なる。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070209/mng_____sya_____001.shtml