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2007年02月09日(金) 23時49分

リンナイ製湯沸かし器でも、2000年以降3人死亡読売新聞

 ガス機器最大手「リンナイ」(名古屋市中川区)製の開放式小型湯沸かし器が原因と見られる一酸化炭素(CO)中毒事故が、2000年以降、東京都など4都県で計5件発生し、3人が死亡、12人がCO中毒になっていたことが9日、経済産業省の調べでわかった。

 死者が出た3件はいずれも同機種の湯沸かし器で、ほかの事故も類似機種だった。同省は同日、リンナイに対し、事故原因の究明を指示した。

 同省によると、今月7日、横浜市鶴見区内の男性(61)が自宅で死亡する事故が発生。室内の湯沸かし器からは、水が出たままの状態で、付近からは高濃度のCOが検出された。この事故を受け、同省が過去の事故例を調査した結果、同機種や類似機種での事故が東京、鹿児島、広島でも起きていたことが判明した。

 死亡事故の原因と見られる湯沸かし器は、「RUS—5RX」で、1991〜95年に約87万台、類似機種の「RUS—51BT」は、94〜97年に約28万台がそれぞれ生産された。この湯沸かし器は、いずれも室内の空気を取り入れ、室内に排気する開放式と呼ばれるタイプ。CO中毒事故が起こりやすいため、同省は十分な換気を呼びかけている。

 同省によると、03年10月と04年12月の事故では、湯沸かし器の内部に大量のススが付着していることから、不完全燃焼防止装置が作動して消えた後に、何度も再点火を試みるうちにセンサーが壊れ、不完全燃焼防止機能が働かなかった可能性があるという。

 リンナイ本社は8日、同省からの連絡で事故を知ったという。

 リンナイは、1920年創業のガス器具メーカー。計46社でグループを構成し、タイやベトナムなど、海外にも製造販売の拠点を展開している。06年3月期の連結売上高は2129億円、従業員数は約3100人。ガス湯沸かし器によるCO中毒事故を巡っては、パロマ工業(名古屋市)製の瞬間湯沸かし器で、85〜05年の間に28件の中毒事故が発生。全国で死者21人、重軽症者40人を出し、警視庁で業務上過失致死傷容疑での立件に向けて捜査を進めている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070209it18.htm?from=top