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2007年02月09日(金) 00時00分

慎太郎、外遊費銭々恐々…連敗なら都知事選に影響必至ZAKZAK

 「都知事が都の条例を守るのは基本。企業でもコンプライアンス(法令順守)が叫ばれており、行政のトップも当然そういう意識であるべき。何をやっても許されるわけではない」

 こう語るのは原告の元商社マン、松原邦博氏(57)。昨年11月に乳がんで亡くなった元文京区議、若林ひとみさん(享年52)とともに「税金の無駄遣いはおかしい」と戦ってきた。

 2004年に出された訴状や都の公文書によると、石原知事らは01年6月にガラパゴス諸島を視察して1444万円(8人参加)を支出。典子夫人も同行した同年9月の米ワシントン出張では2161万円(8人参加)を支出した。都の条例では、宿泊代として支給される旅費は知事が1泊4万200円だが、石原知事はワシントンで夫人とともに1泊26万3000円もの部屋に泊まるなど、いずれも規定を大きく超えていた。

 訴状では、条例で規定額を超える場合に必要とされている人事委員会との事前協議がなく、夫人の同行も必要性がないとして、旅費の一部、合計約464万円を違法な支出として都に返還するように求めている。

 昨年6月の東京地裁の判決では、ガラパゴス視察は「請求期間を過ぎている」として棄却されたが、ワシントン出張の約98万円については「違法な支出」と認定し、石原知事らに返還を命じた。原告、被告ともに判決に不服として控訴していた。

 石原知事は判決直後の会見で、「人事委員会への申請が遅れた事務手続きのミス」「今までの規定は低過ぎる」などと話している。

 松原氏は「地裁判決後の知事会見を聞く限り、反省は感じられなかった。1999年に初出馬したとき、知事は『税金の無駄遣いNO』を掲げていたが、あの感覚はどこに行ったのか」と語る。

 石原知事の豪華視察はガラパゴスとワシントンだけではない。

 別表のように、四男の画家、延啓(のぶひろ)氏がパーティーの舞台背景を描いて注目された4年1月のスイス、フランス出張(10人参加)は2815万円。昨年5月のロンドン、マン島視察(18人参加)は最高額となる3573万円など、やはり目立つ。

 ただ、それぞれの視察には、都市外交の展開や環境保護、NYマラソン視察、五輪招致関連調査といった大きな目的があるのも確かだ。

 ちなみに、大阪府の太田房江知事は00年の就任以降、17回の海外出張を行ったが、最大8人という同行者分も含めた費用の合計は3652万円。石原知事のロンドン、マン島視察1回分とほぼ同額である。

 東京高裁はどういった判決を下すのか!?

【石原知事の主な海外出張】

01年 6月 ガラパゴス諸島(8人参加)1444万円

    9月 米ワシントン(8人)2161万円

02年10月 米ワシントン(7人)1700万円

   11月 インド(13人)2266万円

04年 1月 スイス、フランス(10人)2815万円

    6月 米国(11人)2135万円

   11月 インドネシアなど(16人)2202万円

05年11月 米ニューヨーク(14人)2263万円

06年 4月 台湾(18人)1504万円

    5月 英ロンドンなど(18人)3573万円 

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ZAKZAK 2007/02/09

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