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2007年02月09日(金) 20時29分

持ち点0で発禁も 中国で活字メディアに言論違反切符制朝日新聞

 9日付の香港紙サウスチャイナ・モーニングポストは、中国共産党と政府が国内の活字メディアを対象に、党や政府の方針に反した場合に持ち点を減点して処罰する制度を始めたと伝えた。言論の「違反切符制度」とも言え、今秋の党大会を前にした言論統制策の一環とみられている。

 消息筋の話として伝えた。対象となる範囲は明確でないが、活字メディアに12点の持ち点が与えられ、党や政府の方針に反した場合、違反の度合いに応じて、1点、3点、6点、12点の減点処分がある。持ち点が0になると、発行停止や出版権の取り消しなどの処分を受けるという。

 審査するのは、党と政府の言論監視機関からなる特別チーム。しかし同紙は、違反の判断基準が不透明なことに懸念が出ている、と指摘している。

 中国当局は最近、元党機関紙の編集者の回顧録など8種の本を「禁書」処分にしたり、地方の土地収用問題などの社会矛盾を積極的に取り上げてきたメディアの編集者を更迭させたりしている。

 国内の作家らからは「当局は五輪に向けて外国人記者の取材制限を緩和して対外イメージを高める一方、国内の言論人への圧力を強めている」(ジャーナリストの高瑜氏)との批判が出ている。

http://www.asahi.com/international/update/0209/007.html