企画したのは、同会館の存続活動を続ける「LIFE&LOVE Project チャリティー実行委員会(LLP)」(中田輝夫委員長)。呼びかけに対し、サザンオールスターズなど、会館に思い入れのある有名アーティストが次々と無償で協力を申し出てくれた。
3月25日まで5回に分け、アーティストがツアーで着用したジャケットやジャンパー、サイン入りTシャツなどが出品される。中には、中島みゆきさんが1986年、「Miss M」の名前でカナダ国内限定販売したアナログLP「COLD FAREWELL(冷たい別れ)」や、南こうせつさんがかつて、ファンクラブ向けに仕立てたギター約100本のうち、最後の1本にサインを施したものなどレア物もある。
同会館は、政府の年金福祉施設の処分計画に伴い、2005年、独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構」が全国288施設の一つとして、5年以内の一般競争入札による売却を決定。会館存続を求める音楽関係者や市民らが、06年2月以降、LLPなどを中心に約500万円を集めた。
今回の売り上げは入札に参加する際の原資の一部に充てるが、「三十数億円」(関係者)とも言われる周辺相場との開きは大きい。それでもメンバーは「ある程度金額がまとまれば、腰の重い行政を突き動かせる」と期待をつなぐ。
LLPの活動が口火となり、同様の存廃問題に直面する大阪や、広島など各地の厚生年金会館でも存続を求める運動が広がっている。