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2007年02月09日(金) 13時00分

県庁不正経理で処分等委員会が意見書提出、知事は信頼回復強調読売新聞

記者会見で知事の責任について説明する水上委員長(左)と、厳しい表情を浮かべる金子知事
 「県民の期待は見事に裏切られた」——。4億円を超す裏金が発覚した県庁の不正経理問題について、県の処分等検討委員会(委員長・水上正博弁護士、5人)は8日、県に提出した意見書で、組織に巣くった長年の悪習を改めて指弾した。対応すべき「最低限の内容」として、2億円を超える見通しの裏金返還に加え、自らを減給、職員らを停職などとする厳しい対応を迫られた金子知事は、「真摯(しんし)に受け止める」として、信頼回復に努力する姿勢を強調した。

 「県民の信頼を大きく傷付けたことを反省し、県職員としての責任感とプライドを持って職務に当たるよう強く訴えたい」

 水上委員長は、金子知事らとともに臨んだ記者会見で、こう強調した。

 委員会は意見書で、知事と副知事を減給、職員らを不正に関与した度合いに応じて停職や戒告などとする処分の基準を設定。裏金作りを「遅くとも1960年代から全庁的・組織的に続いていた」とし、退職者を含む広範囲の関係者に返還請求するよう求めた。

 さらに、委員会は再発防止策として、物品納入の一元化などを盛り込んだ県の素案を「不十分」と指摘。外部の有識者を加えたコンプライアンス(法令順守)委員会や、内部告発を受け付ける外部の窓口の設置を求めた。

 そのうえで、副委員長の福崎博孝弁護士は会見で「(意見書の内容は)最低限の条件。これ以上の対応があってもおかしくない」と投げかけた。

 一方、1999年に裏金の存在を知りながら、内部処理で済ませていた金子知事。委員会は、知事就任から1年余りで裏金の解消を指示したことを「一定評価できる」としたが、その後も裏金は無くならず、指揮監督上の責任を認定した。

 知事は会見で「県政を預かる立場として責任を感じている」「的確な指示が出来ず、率直に反省する」と当時の判断ミスを認め、委員会の意見を尊重して具体的な対応を進める意向を表明。21日開会予定の定例県議会までにまとめる県の「総括報告」で、一連の問題に関する最終的な判断を打ち出す考えを改めて示した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagasaki/news001.htm