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2007年02月09日(金) 12時57分

夜通し玄関灯 空き巣防ごう読売新聞

狛江市、市民に呼びかけ

 市民の皆さま、夜の街を明るくして——。空き巣など夜間に発生する犯罪を減らそうと、狛江市は今月から、市民に玄関灯や門灯などの終夜点灯を呼びかける「門柱灯等点灯『明るい』防犯まちづくり運動」を始めた。財政難で街灯の増設が難しい中、市民に広く負担を求めて街を明るくし、不審者が立ち寄りにくい街にするのが狙いだ。市では「玄関灯を毎晩つけても、1か月の電気代は110円しか増えないという試算もある。缶ジュースを1本我慢して、犯罪を減らす取り組みに協力して」と呼び掛けている。

 同市ではこれまでも、地域住民のパトロールや、携帯電話やパソコンのメールで不審者情報を配信するシステムを作るなどして、防犯対策に力を入れてきた。

 その結果、自転車盗難、車上ねらい、ひったくりの昨年1年間の件数は、いずれも前年を下回ったものの、空き巣だけが前年比15件増と悪化。ほとんどが夜間の被害といい、市総務防災課は「いずれの取り組みも、日中は一定の成果があったと言える。しかし、夜間だけはどうしても手薄になってしまっていた」と話す。

 空き巣を減らすために考えたのが、街を明るくすること。しかし、85%を超えると“危険水準”と言われる経常収支比率が昨年度は100・2%と、厳しい財政状況が続く狛江市では街灯を急に増やすことも不可能。そこで、市民に負担を求めることにした。同課によると、沖縄や群馬県で同様の取り組みがあるが、都内では初めてだという。

 今年1月に協力を呼びかけるチラシ1万枚を作成し、小中学校や商工会、町会などに配布。2月1日から運動をスタートさせた。「まだ、パラパラとついている程度」(同課)だが、引き続き市の広報紙などを使って呼びかけていきたいとしている。

 同課は「負担を強いるのは申し訳ないが、玄関灯や門灯をつければ、自分の家の防犯にもつながるはず」とPRしている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news002.htm