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2007年02月09日(金) 12時56分

児玉郡市広域組合 常務理事が違法兼職読売新聞

消防長と事務局長 組合が承認、辞職願

 児玉郡市広域市町村圏組合(管理者・吉田信解本庄市長)が非常勤特別職、川田博享常務理事(65)を、地方公務員法などに反して児玉郡市広域消防本部消防長に兼務させていたことが8日、わかった。川田氏は同組合事務局長も兼務しており、同組合の意思決定機関である管理者会議は同日、どちらの兼職についても「是正が必要だ」と判断した。

 複数の関係者によると、川田氏は「一身上の都合」を理由に事務局長と消防長についての辞職願を同会議に提出、受理された。また、常務理事についても2月末で辞任することを伝えた。

 この問題について、川田氏は8日夜、読売新聞社の取材に対し、「誤って任命されていたと思うとショックだが、住民や関係者に迷惑をかけないためにも速やかに辞職した」と語った。

 総務省消防庁によれば、地方公務員法と消防組織法などで消防長は公務員の一般職でなければならないと解釈されている。そのため、非常勤特別職の常務理事を務めている川田氏が消防長を兼務するケースは資格上問題があるとしている。一方、事務局長を兼職することについて、総務省などは「規定を改正すれば可能ではないか」と指摘している。

 ただ、同組合管理者の吉田本庄市長は読売新聞社の取材に対し、「法令の趣旨に反した人事運営が判明したため、速やかに調査し、これを是正した。(川田氏の)辞職は本人の意思だ」として、兼職を認めた同組合側の対応に問題があったことを示唆した。兼職を可能とした規則改正も行う方針だ。

 同組合の説明では、同組合は2002年4月に非常勤の特別職として「常務理事」職を新設し、川田氏が就任した。同時に「事務局長及び消防長は常務理事をあてることができる」とする組合規則を施行、当時の管理者らが川田氏を常務理事と事務局長、消防長の兼務とした。常務理事の任期は2年で、04年4月と06年4月に再任されている。

 兼職について、今年1月、事務局長や消防長は一般職か常勤職員でなければならないとの指摘が同組合に寄せられた。これを受け、吉田市長ら4市町の首長らによる管理者会議で検討することになっていた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news001.htm