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2007年02月09日(金) 12時55分

鳥取の学校食中毒 国の予防通知無視 3給食センター 次亜塩素酸液消毒使わず読売新聞

市学校給食会 「認識甘かった」

 ノロウイルスによる鳥取市立17小中学校の集団食中毒で、17校に給食を調理した鳥取市第2学校給食センター(鳥取市蔵田)と別の2か所の給食センターで、厚生労働省などが昨年末に文書で求めた次亜塩素酸ナトリウムによる調理場などの消毒をしていなかったことが分かった。いずれも財団法人「市学校給食会」(同市西町)に委託している施設で、同給食会は「認識が甘かった」と陳謝。一方、市教委も文書を各給食センターに配布しただけで、順守をしているかどうかの確認をしておらず、現場任せの対応が浮き彫りになった。

 文書は「ノロウイルスにエタノールはあまり効果がなく、次亜塩素酸ナトリウムまたは加熱が必要」と書かれており、市教委は1月9日、市内全11か所の給食センターに通知。数日後、「集団発症が確認された場合はドアノブやカーテンなどを次亜塩素酸ナトリウムで消毒する」などとした同省作成の参考資料も配布した。

 ところが、第2学校給食センターでは、食中毒発生前の1月17日、調理員1人のノロウイルス感染が判明し、その後、別の調理員も症状を訴えたが、調理器具以外はエタノールで消毒。別の2施設とも同じ方法を取っていたという。

 しかし、市が運営する残り8施設では、エタノールと次亜塩素酸ナトリウム溶液を使って、調理器具のほか検収室、下処理室、調理場、エプロンなどの消毒を行っており、同給食会の谷口博司会長は「厚労省の通知には、具体的な場所が書かれていなかったので文書通りの消毒をしていなかった」と釈明。「手洗いをすれば十分という認識があった。専門家として認識が甘かった」と話した。

 一方、市教委は国の通知文書は各給食センターに送ったが、「消毒が確実に実施されているか、市教委として確認していなかった」(中川俊隆教育長)と対応は現場任せだった。今後は、職員が各センターを訪問し、消毒状況を記載するチェックシートで確認する方針で、中川教育長は「塩素系での消毒が徹底できていなかったのは市教委の大きなミス」と話していた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tottori/news001.htm