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2007年02月08日(木) 00時00分

「トルティージャ食わせろ」高騰に抗議デモ朝日新聞

 メキシコで主食のトルティージャの値段が急騰していることに国民の怒りが高まっている。先月31日には数万人の市民がメキシコ市中心部でデモ行進した。値上がり幅はこの3カ月で40%以上。材料のトウモロコシが米国でバイオ燃料の原料として需要が高まり、値上がりしたのが一因とみられている。台所を直撃された庶民の間で、カルデロン新政権に対する反発が強まっている。

 トルティージャはトウモロコシの生地を焼いた薄いパンのようなもの。貧しい庶民にとっては唯一の主食だ。その値段が1キロあたり6ペソ(約70円)から場所によっては30ペソ(約330円)前後と急騰。中央銀行もインフレの引き金になりかねないと警戒している。

 抗議デモは労働組合や農業者団体が組織。代表者が「ほかの国が新自由主義経済に代わる政策を模索しているのに、メキシコはこの不平等なモデルに固執している」と抗議声明を読み上げた。

 ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、カルデロン大統領は1月半ばに業界と価格凍結協定を結ぶ方針を発表したが、製造業者の1割程度しか応じていないため、政府の影響力は限られている。カルデロン政権は「市場経済重視」を掲げて昨年12月に発足したばかりで、左派政党は「トウモロコシ大手と結託している」などと批判している。

 トウモロコシは地球温暖化対策の代替燃料エタノールの原料となることから注目され、収穫減もあって米国などで価格が上昇。メキシコは北米の貿易自由化の流れで、米国から安価なトウモロコシを輸入している。

http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000000702080004