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2007年02月07日(水) 00時00分

逮捕の“大物華僑” 議員同席で投資勧誘 東京新聞

 「農事組合法人アジア・アグリ連合会」(那覇市、解散)の元会長が福祉事業への投資話を持ちかけ、金をだまし取った事件で、詐欺容疑で逮捕された同連合会元会長畑隆氏容疑者(65)=自称・葉剣英=が投資家を勧誘する際、政治家を同席させ「介護施設は食いっぱぐれはない。ノウハウを教える」などと投資を促していたことが明らかになった。東京地検刑事部は畑容疑者が政治家を利用して多額の金集めを図ったとみて追及している。

 畑容疑者から投資を持ちかけられた仙台市内の建設業の男性によると、二〇〇四年一月、都内の中華料理店で初めて畑容疑者と会った。その場には自民党の金子善次郎衆院議員(63)=比例北関東ブロック=も同席していた。

 出席者は約十人。畑容疑者を含めて三人が「連合会」の関係者で、名刺の肩書には「環境学博士」や「参与」と書かれていた。金子議員は「事業の内容が分からないから、説明を聞きに来た」と話した。

 会合の前には、金子議員を畑容疑者に引き合わせたとされる別の元国会議員も姿を見せ「お世話になりました」と畑容疑者に頭を下げた。

 店ではビールや料理が振る舞われ、畑容疑者が「一通り説明させてもらいます」と約十枚の用紙を配った。

 同容疑者は、「全国規模で老人を送り込む。今の農業事情から間違いなく失敗はない。こんないい話はない。うちらがフォローする」などと自信ありげにまくし立てた。

 用紙には、参考例として「三億八百五十万円の建物・ケアハウスを新築の時、企画諸手続き費・コンサルタント料金等着手金として千五百万円ぐらい必要となります」と記載されていた。

 男性は以前、詐欺に巻き込まれたことがあり、最終的には投資しなかったが「畑容疑者は雄弁で、おぜん立てが良く、信用してしまうのではないか。政治家がいたので畑容疑者に社会的地位があるとも思った。議員もだまされていたのかもしれない」と話していた。

 調べによると、畑容疑者は全国の百人近い投資家から数億円を集めたとされる。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070207/eve_____sya_____000.shtml