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2007年02月07日(水) 00時00分

竹中工務店に61億円追徴課税 大阪国税局 みなし配当と認定 中日新聞

 大手ゼネコンの竹中工務店(大阪市)が大阪国税局の税務調査を受け、社員の持ち株会との取引が「みなし配当」に当たるとして、約56億円の所得税源泉徴収漏れを指摘されていたことが7日、分かった。

 国税局は、不納付加算税などを含め約61億円を追徴課税したもようだ。

 関係者によると、持ち株会は社員が給与から一定額を拠出して自社株を取得する任意団体。社員は退職時などに株を同会に引き取ってもらい対価を受け取る。最近「団塊の世代」の大量退職で支払額がかさみ、会社側から資金を借りていた。

 同社は2004年、約320億円になっていた持ち株会への貸付金を解消するため、自社株約790万株を、帳簿上の価格より約3500円高い1株約4000円で持ち株会から取得、貸付金を相殺する処理をした。

 国税局は、1株当たり約3500円の差額を、会社が株主に利益を配当した「みなし配当」と認定。差額総額約280億円について所得税の源泉徴収(税率20%)の対象とした。

 同社は「国税局からの指摘を受けたが、考え方が違うので異議を申し立てる方針」としている。

 <みなし配当>  企業の利益配当は通常、期末や中間での現金配当の形となるが、これ以外にも利益が配当されたとみなされた場合、課税対象となる。株式を公開していない非上場企業では、安定株主獲得や福利厚生などの目的で、従業員が自社株を購入し、退職時などに会社が買い取る仕組みを導入しているケースも多く見られるが、持ち株を帳簿上の価格より高く買い取った場合、差額については所得税法上、「みなし配当」とされ、源泉徴収対象となる。税率は20%。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070207/eve_____sya_____021.shtml