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2007年02月07日(水) 17時54分

農薬、定植後に2回使用 イチゴ出荷停止の1戸読売新聞

害虫で収量減恐れる?残り3戸、適正を強調

農家から集まったイチゴの品質を入念に確認する農協関係者ら(鹿沼市塩山町で)
 鹿沼市の上都賀農協「鹿沼いちご部」が出荷したイチゴから基準値を上回る残留農薬が検出された問題で、出荷停止が続く4戸の農家のうち1戸が、苗を植える前の使用しか認められていない農薬を、植えた後に2回使ったことが、県の6日までの調査でわかった。県産イチゴは、ブランドイメージの向上策などが奏功して首都圏などで需要が増えている。関係者の間では「害虫被害によって収量が落ちることを予想し、焦って使ったのでは」との見方が広がっている。

 県は4戸の農家に対し、検出された農薬「ホスチアゼート」の購入量や使用方法などの聞き取り調査を行っている。このうち1戸は、定植前しか使用できないことを知りながら、定植前にはホスチアゼートを使用していなかったという。

 残りの3戸は「適量を定植前に1回だけ使用した」と使用方法に誤りがないことを強調している。

 鹿沼いちご部の生産者の間では10年ほど前から、同じ作物を同じ場所で何年も続けて作ることによって、根に影響を与える害虫が増える「連作障害」が発生。害虫は肉眼で確認することが難しく、定植後に生育が悪くなって初めて発見できるという。連作障害を防ぐためには、畑を休ませる必要がある。しかし、別の土地を確保し、ビニールハウスを新たに建てるにはコストがかかる。県産イチゴの需要が増える中で、収量減につながる休耕に踏み切るのは難しいのが実情だ。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tochigi/news001.htm