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2007年02月07日(水) 00時00分

「石原人気」陰りも 本社世論調査朝日新聞

 就任から2期8年となる石原慎太郎知事(74)を都民がどうみているか。朝日新聞社が3、4日に電話で実施した世論調査で、知事に対する支持模様や政策の評価などをまとめてみた。

◆支持率◆

 石原知事の支持率は53%で、02年4月の調査の支持率78%から見ると、じわじわと下がってきている。

 支持する政党別に見ると、自民支持層で「支持する」と答えたのは82%と圧倒的な評価を得た。

 逆に民主支持層では「支持しない」が59%。公明支持層の38%、共産支持層の81%、社民支持層の52%がそれぞれ不支持だった。

 「支持政党なし」と「答えない・わからない」を合わせた無党派層は今回、全体の57%を占めた。無党派層では支持45%と半数を下回り、不支持が39%だった。02年の調査では支持が76%で不支持は14%。無党派層での人気のかげりが全体に影響したといえそうだ=グラフ参照。

 一方、支持を年代別でみると、全年代で支持が不支持を上回ったものの、20代と50代で支持と不支持がともに40%台と小差だった。全年代で7割以上の支持を得た02年調査からみると様変わりした。

◆言動◆

 無党派層は石原知事の言動をどう感じているのか。

 議会や記者会見での知事の発言への印象を聞いたところ、「好感を持つ」が自民支持層では66%だったが無党派層では26%。逆に「好感を持たない」は自民支持層で21%、無党派層で55%と半数を超える。

 これまでの知事選で政党の支援を受けなかった石原知事だが、今春の選挙では自民党の支援を受ける考えを示している。これに対して「抵抗を感じるか」を尋ねたところ、自民支持層で「感じる」が24%、「感じない」が71%だったのに対し、無党派層は「感じる」が51%、「感じない」が38%と不満を持っている様子がうかがえる。

 一方、調査では知事の海外出張や交際費などの公金の使途や、都の文化事業に四男を起用したことに、「適切かどうか」を尋ねたところ、各支持政党、無党派層ともに同じ傾向で、「適切でない」が「適切だ」を上回った。

◆政策◆

 8年間の石原都政でどんな政策が評価されたのか。あるいはどんな政策に不満なのか。

 調査では「財政」「環境」「教育」「福祉」「治安」の五つの政策分野の中から、評価できるものと評価できないものをそれぞれ一つだけ選んでもらった。

 評価できる分野の1位は環境で回答者の29%が選んだ。2位は治安で21%。石原知事を支持する層、支持しない層ともに同じ傾向だった。ディーゼル車の規制や、歌舞伎町の浄化作戦などといった施策があり、強い印象を与えているのがうかがえる。

 評価できない分野の1位は福祉で27%、2位は教育で20%だった。特に福祉は50代と60代では3割以上になった。評価できる二つの分野に比べて際だった施策が少なく、老後をより現実的にとらえている層には不満に映っているようだ。

 石原知事は8年前、「東京から日本を変える」というスローガンを掲げたが、「ふさわしい成果を上げている」と回答したのは35%にすぎず、54%が「そうは思わない」だった。

◆五輪◆

 石原知事が招致をめざす16年夏季五輪については、開催賛成が54%と反対の39%を上回った。

 賛成した人にその理由を尋ねると、「経済効果や都市整備が期待できる」が最も多く61%で、次いで「東京を世界にアピールできる」が25%。石原知事は五輪を開催することで「成熟した都市を世界に示す」と度々発言しており、ある程度の共感を得られたといえる。

 一方で、反対した人の理由は「都の財政負担になる」が50%、「テロなど治安面に不安がある」が24%と続く。五輪開催にこぎ着けるには地元の反対がないことも重要とされており、今以上に理解を得ることが必要になりそうだ。

 一方、開催に賛成した人と反対した人で、石原知事の立候補表明への意見を分析したところ、賛成した人の55%が「立候補は望ましい」とする一方、反対した人の50%が「望ましくない」だった。

http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000702070001