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2007年02月07日(水) 00時00分

日系人米陸軍中尉、軍法会議で無罪主張朝日新聞

 米陸軍は5日、イラク戦争は道徳に反する違法な戦争だとして派兵命令に従わなかったハワイ州出身の日系人アーレン・ワタダ中尉(28)に対し、意図的に部隊の移動から遅れた疑いと、公の場で戦争批判をすることで将校としての責務を放棄した疑いで、軍法会議を開始した。ロイター通信によると、ワタダ中尉は「イラク行きの命令は違法で、私には、拒絶する以外の選択肢はなかった」などと述べ、無罪を主張した。

 軍法会議は、ワタダ中尉が所属していた第2歩兵師団第3旅団の本拠地、ワシントン州のフォートルイス陸軍基地で開かれた。同通信によると、中尉を「英雄」と支持する反戦団体と、「裏切り者」視する批判派の双方が、基地正門前でデモをした。

 起訴状によると、同中尉は06年6月22日、イラク派兵のため指定された航空便に搭乗しなかった。また、これに先立つ同月7日、公の席で、ブッシュ大統領がイラク侵攻を同時多発テロよりも前から考えていたと知って「衝撃を受け、恥ずかしく思った。ウソに基づいて他国を侵略したと知って、この恐ろしい制服を着ていることができるだろうか」と発言した。

 弁護側は当初、戦争の違法性を根拠に無罪を主張する方針だったが、軍法会議開廷前の1月中旬、担当する軍判事が、その論点は展開することは認めないと決定を下した。ワタダ中尉は有罪になれば最高で禁固4年に処せられる可能性がある。

http://mytown.asahi.com/usa/news.php?k_id=49000000702070003