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2007年02月06日(火) 12時03分

障害者1600人が福祉サービス利用中止 負担増響く朝日新聞

 福祉サービスに自己負担を求める障害者自立支援法による影響で、全国で約1600人が施設サービスの利用を中止し、4000人余りが利用回数を減らしたことが、厚生労働省の調査で分かった。昨年4月から10月までについて負担増を理由に利用を減らしたケースを同省が初めて全国調査した。政府は利用抑制が障害者の生活に与える影響を分析したうえで、負担軽減策を進める方針だ。

 昨年4月に施行された障害者自立支援法は、福祉サービスを原則として「1割負担」にした。

 厚労省によると、入所サービスと通所サービスについては都道府県を通じて施設に照会し、全都道府県の約22万人の利用者の状況について回答を得た。

 それによると、約13万5000人の入所サービス利用者のうち598人(利用者の0.44%)が、約8万6000人の通所サービス利用者では1027人(同1.19%)が、負担増を理由に利用をやめていた。通所サービスの利用回数を減らしたのは、4114人(同4.75%)に上った。

 また、ホームヘルプなどの在宅サービスについては、30府県から約22万5000人の利用者の状況について回答を得た。このうち849人(利用者の0.38%)がサービス利用を中止し、2099人(同0.93%)が利用回数を抑制していた。

 調査結果について、厚労省は「『利用抑制』は、利用者負担の影響が出ていることが数値として示されたのではないか。サービスの必要な人が受けられないことがないように、フォローするよう指導している」としている。

 政府は07年度から2年間で240億円の自己負担軽減策を計上する方針で、自己負担の上限額引き下げなどを盛り込んでいる。

http://www.asahi.com/life/update/0206/005.html