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2007年02月06日(火) 00時00分

自称「大物華僑」を逮捕 東京地検 介護事業で詐欺容疑 中日新聞

 全国の資産家らが実現不可能な「農事組合法人による介護事業」を持ち掛けられ、投資金をだまし取られた事件で、東京地検刑事部は6日、詐欺容疑で「華僑の大物・葉剣英」を名乗る畑隆氏容疑者(65)を逮捕し、東京都千代田区三番町の自宅などを家宅捜索した。調べに対し、容疑を否認しているという。

 畑容疑者らは約100人から少なくとも数億円を集めたとされ、東京地検は全容解明を目指す。

 調べなどによると、畑容疑者は2004年2月から3月にかけて、富山県の会社役員に「沖縄に農事組合法人をつくって介護施設を建設すれば、8割は国の補助金で賄える」などとうそを言い、法人設立費用などの名目で計約920万円をだまし取った疑い。

 会社役員は知人を通じて畑容疑者と知り合ったという。

 農事組合法人に介護事業は認められておらず、登記費用もほとんどかからないことが分かり、会社役員は畑容疑者を東京地検に告訴した。

 また会社役員らは計約5000万円の損害賠償を求めて提訴。東京地裁は05年3月の判決で畑容疑者らに請求通りの支払いを命じ、畑容疑者らは控訴している。

 畑容疑者らは自民党の金子善次郎衆院議員(比例代表北関東ブロック)が代表理事を務める「農事組合法人アジア・アグリ連合会」(解散)を設立。畑容疑者は会長を務め、03−04年に農事組合法人設立名目の詐欺を繰り返したとされる。

 金子議員は「広告塔として利用された」と話している。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070206/eve_____sya_____011.shtml