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2007年02月06日(火) 00時00分

ナリタフーズ社長逮捕 豚肉差額関税 60億円脱税の疑い 中日新聞

 食肉卸会社「ナリタフーズ」(千葉県柏市)が、国産豚肉保護のため安価な輸入豚肉に関税を課す「差額関税制度」を悪用し、デンマークなどから輸入した豚肉の関税約60億円を免れていたとして、千葉地検は6日、関税法違反容疑で、同社社長田辺正明容疑者(60)を逮捕した。地検は同社や同県我孫子市の田辺容疑者宅など関係先数カ所を家宅捜索した。

 立件額は、過去最高となった協畜(愛媛県四国中央市)の約118億円、名古屋市の「フジチク」グループの約62億円に次ぐ過去3番目の規模になる見通し。

 調べなどによると、ナリタフーズは2005年2月までに、デンマークから豚肉を輸入する際、別の会社を介入させるなどの方法で輸入価格を水増しして税関に申告。国産豚肉の価格に近いように装い、国産との価格差に伴う差額関税約60億円を免れた疑い。

 差額関税制度は、国の定めた基準輸入価格を下回る豚肉を輸入した場合、その差額を関税として徴収する仕組みで、輸入価格が低いほど高い関税がかかる。

 この事件では千葉地検と横浜税関が協力、これまでに田辺容疑者ら関係者から任意で事情聴取してきた。

 民間の信用調査会社によると、同社は1992年に設立され、資本金は2億円。牛海綿状脳症(BSE)の影響で牛肉から豚肉への代替需要が増したことを背景に売り上げを伸ばした。昨年3月期の売上高は約644億円だった。


http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070206/eve_____sya_____010.shtml