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2007年02月06日(火) 15時19分

消火器「ガス抜け使用不能」と鑑定 宝塚カラオケ火災朝日新聞

 客8人が死傷した兵庫県宝塚市のカラオケ店「ビート」の火災で、出火当時に店内に一つだけあった消火器は、消火剤を噴射するための加圧ガスが抜けて使えない状態だったことが、県警がメーカーに依頼して実施した鑑定でわかった。昨年7月に起きたぼやの消火に使われ、その後、詰め替えなどの措置がとられていなかった。県警は初期消火に失敗した一因になったとみて、業務上過失致死傷容疑で逮捕した店長の上江洲(かみえす)安一(やすかず)容疑者(53)らの取り調べを進めている。

 調べでは、消火器はピンを抜いてレバーを握ると噴射し、離すと止まるタイプ。メーカーの鑑定結果では、粉末の消火剤は大半が残っていたが、噴射のためのガスはほとんどなくなっていた。この消火器はガスと消火剤を一緒に詰め替えないと再使用できず、「使用不能」と判断された。

 昨年7月のぼやをこの消火器で消し止めた上江洲容疑者は県警の調べに、「消火器が重かったのでまだ使えると思った」と供述。そのまま店の1階に置いていたことを認めているという。

 店員の佐々木美津子容疑者(35)=業務上失火容疑などで逮捕=は「出火に気づいた時は火が小さく、消火できると思った」と供述しており、県警は、消火器が使える状態であれば被害の拡大を防げた可能性もあると見ている。

http://www.asahi.com/national/update/0206/OSK200702060040.html