差額関税制度は輸入豚肉の自由化に伴い、７１年に創設。価格の安い豚肉を輸入する場合、国内価格を参考に定めた基準価格と同額になるように関税として課す。
調べによると、田辺容疑者らは０３年４月〜０５年２月、デンマークから豚肉を輸入した際、介在させた香港と国内の輸入会社に輸入価格を水増しさせる形で、差額関税約５９億円を免れた疑い。
具体的には、香港の会社が１キロ当たり４５０円でデンマークから仕入れた豚肉を、ナリタフーズが同５１０円で国内市場に販売。その際、国内のグループ企業が香港の会社から基準価格の同５２４円とほぼ同額で輸入したように会計処理し、横浜税関にも報告していたという。
同税関は、香港の輸出会社とナリタフーズの代表が同一人物であることから、香港の会社の仕入れ価格が実際の輸入価格だったと判断し、千葉地検に連絡した。
ナリタフーズ側は「営業努力の末、いい商品を安く確保してもすべて同一価格になってしまう。それなのに実際の市場価格は基準価格より安い。誰も守っていない差額関税制度自体が違憲だ」と主張している。
信用調査会社によると、ナリタフーズは９２年設立。０６年３月期の売上高は約６４４億円。
http://www.asahi.com/national/update/0206/TKY200702050405.html