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2007年02月06日(火) 03時03分

都内の画廊、株利益9億隠す…絵画の架空売買で擬装読売新聞

 ジャスダック上場の宝飾品販売会社「シーマ」(東京都中央区)の大株主の絵画卸会社「さくら画廊」(新宿区)が、2005年1〜2月にシーマ株の取引で得た多額の利益を圧縮するため、絵画の架空売買を繰り返し、約9億円の所得を隠していた疑いがあることが、関係者の話でわかった。

 東京地検特捜部は、さくら画廊について、法人税法違反(脱税)などの疑いで、近く本格捜査に乗り出す方針を固めた。

 関係者によると、さくら画廊は、シーマ株の発行済み株式の20%超を保有していたが、シーマが2005年1月14日に自社株1株を101株に分割すると発表した直後に、第三者に株を貸したように装って保有株の大半を市場で売却した。また、同社が創業者一族の名義で実質保有していたシーマ株も同様に売却した。

 シーマ株の株価はそれまで1000円前後で推移していたが、101分割の公表から1週間で2500円まで高騰。その後に株を売却したさくら画廊は多額の売却益を得た。さくら画廊は、この株売却益を圧縮するため、絵画を仕入れ価格より安く売ったり、売れずに処分したように装ったりする手口で、多額の売却損などを計上。1枚の絵で、何回も架空の購入・売却を繰り返していたという。

 シーマは、この株売却を巡り、さくら画廊と創業者一族が貸し株を行ったとの情報を適切に開示しなかったとして、ジャスダックから上場廃止の恐れもある監理ポストに05年2月4日付で割り当てられている。

 民間調査機関によると、さくら画廊は1992年設立で、05年3月期の売り上げは約12億3000万円。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070206i501.htm