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2007年02月04日(日) 00時00分

『あるある』捏造 低コスト・高視聴率重く 東京新聞

 データ捏造(ねつぞう)が発覚した関西テレビの情報番組「発掘!あるある大事典2」。元スタッフの生々しい証言からは、制作費減額など厳しい環境の中で、テレビ局からの期待に応えようと、番組作りに奔走する制作会社の実情が垣間見える。 

 元スタッフの証言では、捏造を現場で指示したとみられる制作会社のディレクターは「視聴率が20%を超えたら関西テレビのプロデューサーからご褒美に、コンペ参加名目で香港に連れて行ってもらえる」と話していたという。

 視聴率を取れる番組作りを要求される制作会社。ディレクターの言葉は、いつ競合他社に仕事を奪われるか分からないという不安の裏返しでもある。

 一方、全日本テレビ番組製作者連盟(ATP)が昨年夏に実施したアンケート調査では、回答した四十二社のうち十七社が二〇〇五年十月以降、制作費の減額を要請されていた。

 「この状態が続けば、ソフト制作の構造自体に重大な危機が訪れることを、局は理解するべきだ」などと、アンケートに並ぶのは悲痛な訴えだ。番組の質を維持することを困難にする制作会社の現状が、でっち上げの背景と指摘する声もある。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20070204/mng_____sya_____013.shtml