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2007年02月04日(日) 10時01分

国税庁も差し押さえ財産をネットで競売 6月にも導入朝日新聞

 国税庁は6月にも、税金の滞納者から差し押さえた財産を、インターネット上のオークションにかけて売却する。すでに実施している地方自治体にならって、当初は美術品や宝飾品など動産のネット競売を始め、その後不動産にも広げる考え。民間のオークションサイトを活用し、近く提携先の業者を決める。

 所得税など国税を滞納した人に対し、国税庁はその財産を差し押さえて「公売」と呼ばれる手続きで売却して税収に充てる。入札方式が中心だが昨年、会場での競り売り方式を一部で導入した。

 ネット競売は、専用サイトに出品物件の内容や見積価格などを掲示。希望者はパソコンで購入希望額を入力し、最高額の人が購入できる。代金は従来どおり現金などで支払い、クレジットカードは使えない。

 現在は、購入希望者が見積額の1割以上を保証金としてあらかじめ納付する必要がある。ネット競売では、サイト運営業者が希望者と支払い保証契約を結び、保証金は不要にする方針だ。

 国税の滞納発生額は景気回復で減少傾向だが、05年度は9298億円。05年7月からの1年間の公売による回収は約6000件、約180億円だ。差し押さえ対象は1件あたりの金額が大きい不動産や債権が中心で、動産は事務費がかかる割に回収額が小さいため、後回しにされてきた。国税庁は「ネット競売だと一般個人の購入希望が増え、自動車や美術品、宝飾品なども売却しやすくなる」とする。

 こうしたネット競売は04年7月に東京都がネットオークション最大手のヤフーと提携して開始。全国の自治体に広がり、ヤフーを利用した自治体は100を超える。15回実施した東京都では約450点が総額約1億7500万円で売れた。売却額は見積額の1.4倍。

http://www.asahi.com/politics/update/0204/002.html