記事登録
2007年02月03日(土) 00時00分

使途なし領収書で分配 葛飾区議会政調費朝日新聞

 地方議員に支給される政務調査費の実態が不透明な問題で、葛飾区議会の自民、公明、共産の3会派が毎月、政調費から一定金額を議員に分配、収支報告書には、会派から受け取ったとする議員名の「領収書」を添付するだけで、議員の実際の使途が見えない形になっていることがわかった。自民、公明は、それぞれ「分配金方式」の必要性を強調しつつも「見直しを検討したい」としており、共産は今後は分配をやめる方針を決めた。

 同区議会では01年度から、政調費の交付を受けた会派の代表者が、収支報告書に「領収書等の証拠書類の写し」を添えて議長へ提出することが義務づけられている。政調費は05年度まで1人月額16万円、06年度からは同18万円になった。

 05年度の収支報告書によると、自民は毎月、人件費、調査費、活動費、通信費として計13〜15万円を各議員に配った。「領収書」として収支報告書に添付された書面は、1枚の紙に議員名と受領印などが並ぶ「名簿形式」で、個々の議員がそれを何に使ったかは知ることができない。

 政調費の月額が上がった現在は、15万円ずつ配り、残りを会派としての経費に充てているという。

 倉沢よう次幹事長は「議員活動に伴う経費には、公私を区分けして金額を出せないものが多いから」と説明する。例として、携帯電話代や視察に使う自家用車の維持費などを挙げた。「理解してほしい部分もあるが、批判がある以上、対応を検討する」と話した。

 公明は05年度、調査費、活動費、通信費の項目で月額計9万5千円ずつを配分した。領収書はやはり名簿形式だ。

 斉藤初夫幹事長は「事務の簡素化」を理由に挙げる。「(細かな領収書をつけると)事務作業で本来の議員活動が停滞する。どちらが区民のためになるか考えてほしい」。実際の経費は配分した金額を上回っており、政調費からの分配金は活動のための最低限の保障だとしている。

 共産は「事務所における調査費」として政調費から3万円を渡し、1人ずつ、市販の用紙に手書きした領収書を提出している。

 中村伸吾幹事長は「団の方針で全員が個人事務所を借りている。家賃と光熱費で毎月10万円以上かかるため、その費用に充てている」と話した。しかし、議会事務局が「個人事務所への政調費の支出は認められない」との見解を示したため、今後はやめることにしたという。

http://mytown.asahi.com/tokyo/news.php?k_id=13000000702050001