記事登録
2007年02月03日(土) 00時00分

諫干訴訟/裁判官が現地視察朝日新聞

 有明海沿岸の漁業者らが国の諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防の撤去を求めた訴訟で、佐賀地裁の神山隆一裁判長らが2日、有明海や堤防の現地視察を行った。裁判官が現地を見たのは、この訴訟では初めて。

 現地視察には裁判官3人のほか、原告弁護団、被告の国代理人が参加。午前8時ごろ、福岡県大牟田市の三池港を船で出発し、ノリ養殖場やタイラギの漁場を見て回った。船に一緒に乗った漁師4人がタイラギの不漁や、ノリ漁業の苦労を語り、「干拓事業で湾を閉め切って潮の流れが変わり、有明海異変が起こった」などと訴えた。

 長崎県の島原港に着いた後、潮受け堤防などを見て、最後は陸上から干拓地を視察した。

 堀良一・弁護士は「ヘドロだらけの海底など海の現状をリアルに把握してもらえた。正確な判断をしてもらう上で、意義ある視察だった」と話した。

http://mytown.asahi.com/saga/news.php?k_id=42000000702030001