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2007年02月03日(土) 00時00分

ニセモノ大国、今度は… 北京でビスタ海賊版“先行発売” 中日新聞

 【北京=平岩勇司】マイクロソフトが先月30日に発売したばかりの新しいパソコン基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の海賊版が、既に中国で出回っている。値段はわずか10元(約150円)。

 北京では、海賊版は1月15日前後から登場し、偽物が“先行発売”となった。ビスタと同時発売のソフト「オフィス」は1カ月前から売っている。

 北京中心部のショッピングセンター「百脳匯」前の路上では、女性が通行人に声をかけている。女性の案内で古い民家に入ると、ベッドの下に段ボールに詰まった海賊版があった。

 ビスタの通常価格は2000元(約3万円)だが、海賊版は200分の1の10元。ケースに入った正規品と違いビニールで包装しただけの代物だが、堂々と「原装正版」(本物)と表示している。

 女性は「広東から仕入れている。それ以上は言えない」と話した。

 インターネットのサイトでは既に「海賊版を1カ月前から使っているが、問題ない」「正規ソフトを買う必要はない」とユーザーの“品評”が飛び交っている。

 米国は近年、中国に「海賊版、模倣品の横行により、米国の被害は年2000億ドル(約23兆円)以上にのぼる」と知的財産権の保護を何度も求めているだけに、中国でビスタ海賊版が“ヒット”すれば新たな火種になりかねない。


http://www.chunichi.co.jp/00/kok/20070203/mng_____kok_____000.shtml