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2007年02月03日(土) 00時00分

震度5強−6弱で損傷も 成田のマンション強度不足 検証計算の結果を説明する県建築指導課職員=県庁で 東京新聞

 「偽装の疑いが強い」。富山市の設計会社「田村水落設計」が構造計算を行い、五棟のうち一棟について県が二日、強度不足を発表した成田市のマンション「アパガーデンパレス成田」。耐震強度は基準の74%で、震度5強−6弱の揺れで損傷する可能性も出てきた。 (荘加卓嗣)

 強度不足が判明したB棟は、検証計算で重量が建築確認時から17%増加していたことが判明した。田村水落側は県に「長年の経験でこれぐらいで大丈夫だろうと思った」と話していたという。

 この重量で計算すると、中規模地震による部材の損傷の有無を検証する一次設計で、柱百十六本中四本が、梁(はり)百六十八本中二十三本が不適合とされた。大規模地震による建物の倒壊などを検証する二次設計では、強度は十一階中七階で基準値の74%だった。基準値を満たした階はなかったという。

 県建築指導課によると、震度5強−6弱の揺れで損傷する可能性があるという。同課はアパマンションに、九日までに補強計画書か、ほかの検証方法で安全が確認された場合は、その検証結果報告書を提出するよう勧告した。

 具体的な補強方法として同課は「壁を増設するか、階層を減らすことが考えられる」としている。

 県内には、田村水落が手掛けたマンションとマンションの駐車場棟があり、特定行政庁が検証を進めている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/cba/20070203/lcl_____cba_____000.shtml