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2007年02月03日(土) 16時25分

イベント「動員」、河北新報・岩手日報が謝罪会見朝日新聞

 新聞社が政府などと共催した行事で参加者に謝礼を払って「動員」していた問題で、厚生労働省との行事で動員が明らかになった河北新報社(仙台市)と、内閣府との行事での動員が発覚した岩手日報社(盛岡市)が3日、それぞれ記者会見し、事実関係を認めて謝罪した。

 05年12月14日に厚生労働省などと共催した「Skills Japan 地域シンポジウムin仙台」での動員が分かった河北新報社。会見した森健一・常務取締役営業統括本部長らによると、大学生が冬休みに入っており、開催2日前の時点で定員の200人に対して申し込みが半数程度だった。「パネリストの方々に申し訳ない」と考え、シンポを盛り上げるために派遣業者に24万2000円を払い、学生を中心にアルバイト54人を動員した。うち1人に5000円、他の53人には各3500円が報酬として払われたという。当日は165人が参加した。「やらせ質問」の事実はなかった。「不適切だった。社会的責任がある報道機関として不信を招き、深くおわびする」と謝罪した。

 岩手日報社は、04年10月に内閣府と共催して盛岡市で開いた「新しい地域社会シンポジウム」で、38人に1人2700円の謝礼を払っていたことが判明。3日の記者会見では、「不適切な支出で非常に申し訳なく思っています。新聞社は、社会的責任が重い会社であり、釈明の余地はない」と山添勝寛・取締役総務局長が謝罪した。

 同社によると、定員200人で参加者を募集したが、60人程度しか集まらなかった。このため、盛岡市内の老人団体に依頼して参加者を募った。質問依頼などはしていないという。

http://www.asahi.com/national/update/0203/TKY200702030183.html