記事登録
2007年02月03日(土) 18時47分

給食食中毒 調理器具にノロウイルス読売新聞

鳥取市教委新たに検査項目へ

 ノロウイルスによる鳥取市立小中学校の集団食中毒問題で、県は2日、給食を配食した市第2学校給食センターの調理器具や機械をふき取って採取した検体のうち、しゃもじからノロウイルスを検出したと発表した。器具からの検出は初めてで、県は、調理場が汚染されていたため、給食を通して広がったとみている。一方、同市教委は、市内11か所の学校給食センターを対象とした衛生管理マニュアルの検査項目にノロウイルス検査を追加することを決めた。

 県によると、しゃもじは長さ約1メートル。料理の時に調理員が握る柄の部分から検出された。食中毒は、1月26日の給食が原因と断定されているが、しゃもじはこの日、キャベツやニンジンで作った「あえ物」を配食用の容器に入れるときに使われたという。

 県は同月29、30日に同センター調理場で器具や機械、水道蛇口などのふき取り検査を行い、湯梨浜町の県衛生環境研究所で56検体を検査中。3日までに16検体の結果が判明しており、「しゃもじを通してノロウイルスが広まった可能性はあるが、断定はできない」としている。

 同センターの永井文弘所長は「職員の感染が分かった1月17日に調理場を次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒しなければならなかった。申し訳ありません」と話した。

 一方、市教委の衛生管理マニュアルでは、給食施設職員、学校の給食配膳(はいぜん)職員、給食配送業者を対象に、文部科学省の学校給食衛生管理基準で義務付けられている腸管出血性大腸菌とサルモネラ菌、赤痢菌の検査を月2回行うと規定しているが、ノロウイルス検査は含まれておらず、市教委は月1回、ノロウイルス検査を行うことにした。

 また、市教委は2日、保護者らの発生状況を把握するため、下痢や嘔吐(おうと)、発熱などの有無と症状が出た日時などを尋ねる調査用紙を子どもを通じて配布。5日に回収し、発症者数などを把握した上で対策を考える。

 二次感染の保護者からの相談は2件増えて6件に、発症者は27人増え、全部で1271人になった。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tottori/news001.htm